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採用の一次選考をAIで整える ― 決めるのは合否ではなく、会って確かめる理由

夜、応募書類の束を前に、社長が一人で合否を決めている

募集をかけると、応募書類が少しずつ届きはじめます。日中は打ち合わせや現場が続きますから、腰を据えて読めるのは、たいてい夜になってからです。事務所に一人残り、届いた書類を一枚ずつめくっていく。仮に、その数が18名だったとします(ここでの数字は、様子を思い浮かべていただくための例です)。履歴書、職務経歴書、応募フォームの記入欄。経歴も、書き方も、使っている媒体もばらばらのまま、同じ束になって手元にあります。

一人あたり数分でも、18名分となると、それなりの時間がかかります。読みながら、頭の中では「この方は会ってみたい」「この方は少し違うかもしれない」と、無意識のうちに仕分けが始まっています。ところが、後半に進むほど、最初の一枚を読んだときほどの集中は続きません。一日の終わりの疲れもあります。同じ丁寧さで最後まで読み切るのは、思っている以上に難しいものです。

誰かに任せられればよいのですが、この職種で何を大切にするか、どんな人なら活躍してもらえそうかは、多くの場合、社長ご自身の頭の中にしかありません。だから結局、自分で読むことになります。そして、この束は募集をかけるたびに届きます。読み切れない量ではないけれど、まとまった時間と集中を静かに奪っていく。採用の入り口は、いつも社長の夜の時間に置かれています。

問題は、書類を読む時間がないことではありません

採用の悩みは、しばしば「書類を読む時間がない」という形で語られます。けれど、本当の問題は、少し別のところにあるように思います。時間が足りないまま合否だけを急ぐと、どうしても、雑な基準で切ることになるからです。

たとえば、経歴の見せ方が上手な方は、実際以上に良く見えて上のほうに残ります。反対に、力はあるのに書くのが得意でない方は、下のほうに沈みます。応募媒体によってフォーマットが違えば、並べたときの見え方もそろいません。こうして、本当は会ってみるべきだった惜しい方を、書類の段階で見送ってしまう。読む時間がないことそのものよりも、この取りこぼしのほうが、後からじわじわと効いてきます。

もう一つ、見落とされがちなことがあります。応募してくださった方への対応は、そのまま会社の評判に返っていきます。理由の見えない不採用、遅い連絡、心のこもらない定型文。受け取った側は、案外それを覚えているものです。会って確かめるべき理由が整理されないまま、合否だけを先に急いでしまう。この状態こそが、採用でいちばん直したいところだと感じています。急ぐべきなのは、合否そのものよりも、この人になら会っておきたいという理由を見極めることのほうなのだと思います。

AIは合否を決めません。面接に上げる理由を整えます

ですから、AIに最初にやってもらうとよいのは、合否を判定することではなく、整理することです。応募書類を、御社の評価軸でそろえて並べ、大きく三つに分けます。面接に進めたい方、いますぐではないけれど育成を前提に会ってみたい方、そして判断に迷うので要確認の方。この三つです。

大切なのは、それぞれにただ分類の札を貼らないことです。なぜそう見えるのか、どこが強みで、どこが懸念なのか。ここまで添えて、はじめて役に立ちます。さらに、面接で何を聞けばよいかまで用意しておきます。たとえば「以前の職場で、担当した改善が現場に定着しなかった経験はありますか」「関係者の意見が食い違ったとき、どう折り合いをつけましたか」といった具合に、その方の経歴に即した質問を、あらかじめ形にしておくのです。点数の高い低いよりも、この「会ったら何を確かめるか」が用意されていることのほうが、実際の採用ではずっと役に立ちます。面接の時間そのものが、迷いなく濃いものになります。

ここで、いくつかの約束ごとをはっきりさせておきます。AIは不採用を決めません。判定するのは、あくまで人です。AIが低めに評価した方も、そのまま消えてしまうのではなく、人が必ず目を通せる保留の枠に残します。そして、性別、年齢、出身地、家族構成など、採用の判断に使うべきでない情報は、評価の材料にしません。分類には必ず理由を添え、中身の見えない点数だけで人を分けることはしない。この前提があってはじめて、安心して任せられます。

こうして整うと、社長がやることが変わります。書類を上から順に「切る」作業ではなく、会うべき方を選び、その方に当日何を聞くかを決める。同じ夜の時間でも、使いどころが、ふるい落としから会う準備へと移っていきます。

最初の一週間は、確かめたいことを言葉にするだけ

はじめから全部を任せる必要はありません。むしろ、いきなり全自動にしないほうが、結果としてうまくいきます。おすすめしているのは、最初の一週間を「この職種で確かめたいことを、言葉にする期間」に充てることです。

やり方は難しくありません。これまでに採用した方を思い出してみます。長く活躍してくれている方、残念ながら合わなかった方。その分かれ目は、どこにあったのか。それを、必須の条件、あれば嬉しい歓迎の条件、入ってから育てられる条件、そして勤務の条件に分けて書き出します。この書き出したものが、そのまま御社の評価軸になります。最初の一週間は、この軸をそろえるだけで十分です。合否を出すことも、連絡を自動で送ることもしません。

そのうえで、運用の約束ごとを決めておくと安心です。ひとつ、合否は人が決めること。AIは整理までで手を止めます。ふたつ、低く評価された方も、必ず一度は人の目で確かめること。惜しい方を落とすほうが、余分に一人多く会うことよりも、ずっと痛いからです。みっつ、面接のあとの結果を、軸に返していくこと。通過した方、辞退された方、入社後に活躍された方、早くに離れてしまった方。その一つひとつが、次の評価軸を御社らしく育てていきます。

この進め方なら、大きな失敗が起きにくく、一つの募集ごとに手ごたえを確かめられます。もし合わなければ、いつでも元のやり方に戻せます。小さく試して、良ければ続ける。それで十分だと思います。

会うべき人に、早く会えるようにする

採用でいちばん惜しいのは、本当は会うべきだった方に、会わないまま見送ってしまうことです。AIにできるのは、その手前の整理を引き受けて、会うべき方と、その方に聞くべきことを、社長の手元に残すことです。派手な自動化ではありませんが、夜の時間の使い方を、静かに変えてくれます。

そしてこれは、社長おひとりのためだけの話ではありません。早く、そして理由のはっきりした選考は、応募してくださった方から見ても、気持ちのよいものです。丁寧に扱われたという印象は、その方の記憶に残り、めぐりめぐって、次の応募や会社の評判にも返っていきます。一次選考をていねいにすることは、遠回りに見えて、採用そのものを強くします。

実際に、18名の応募が三つのグループに分かれ、それぞれに評価の理由と、面接で聞く質問案が添えられていく様子は、デモ画面でひと通りご覧いただけます。AIがどこまでを整え、どこから先を人が決めるのか。その線の引き方まで、順番に動く形で確かめられます。

もし御社の採用でも同じことができそうか気になったら、いちど御社の求人票と、実際の応募書類を一緒に眺めるところから始められます。「何から手をつければよいか分からない」という段階でも構いません。御社が本当に会いたいのはどんな方か、そこを言葉にするお手伝いから、具体的にお話しできればと思います。

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